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小学校でのプログラミング必修化について具体的な内容も含めて徹底解説!

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小学校でのプログラミング必修化について具体的な内容も含めて徹底解説!

公開日:2022/09/05
更新日:2022/09/05

2020年から小学校におけるプログラミング教育が必修となりました。ただ、必修化されたといってもどのような教育なのかよくわからない人も多いようです。そこで、本記事ではプログラミング教育の必修化について概要や目的に触れながら、プログラミング教育で行われている具体的な授業のポイントや課題などを事例も挙げながら紹介します。

1.小学校でプログラミングが必修化になった背景と目的

そもそも小学校でプログラミング学習を必修化することになったのはなぜなのか、疑問を持っている人もいるかもしれません。そこで、こちらでは小学校におけるプログラミング学習必修化の背景や目的について解説します。

1-1.背景

日常生活をはじめ、ビジネスにおいてもIT技術が活用されているものは少なくありません。たとえば、スマホや家電などはその代表的なものだといえるでしょう。これらが故障した際には専門家に依頼すれば良いため、自身では仕組みをよく理解せずに使っている人も多いです。しかし、将来的にIT技術がさらに進化することが予想されており、効果的な運用をするためには仕組みを理解しておかなければなりません。

企業での業務において人の手で行われているものが、AIやロボットが行う未来が訪れる可能性もあります。そのため、そういった未来に備えた教育として論理的思考を育てるプログラミング学習の重要度が高まり、政府による学習指導要領の改訂の一部としてプログラミングも加えられました。学習指導要領とは、文部科学省が定めているカリキュラム編成基準のことです。この基準があるので全国にあるいずれの学校に転校しても授業内容がバラバラになりすぎて困るといったことが起こりにくくなっています。学習指導要領の改訂は10年に1度で、2020年の改訂時に、プログラミング学習も加わっています。

1-2.目的

プログラミング学習といえばプログラマーの育成のためというイメージを持たれがちですが、小学校のプログラミング学習はプログラミング的思考(論理的思考)の育成が主な目的です。プログラミング的思考とは、物事を順を追っていろいろな面から考えながら解決する力を指します。ただ、プログラミング的思考をすぐに得ようとしても簡単ではありません。

そのため、固定観念にとらわれていない子どもの頃からカリキュラムをスタートさせることが重要です。また、子ども達にも社会の現状としてプログラミングが非常に重要であると知ってもらうことも目的になります。同時に、パソコンを取り扱う際の基本的な操作となるタイピングなどを学ぶのも目的のひとつです。学習の際には段階を踏み、小学校の低学年ではパソコンやタブレットを使用せずにプログラミング学習が行われる場合もあります。

そのほかの目的として、子どもの頃からコンピューターに対して受け身でいるのではなく、自分から積極的に学んで積極的に活用していくという姿勢を身に付ける点も挙げられるでしょう。一般的には、子どもの頃はパソコンやタブレットを使う場面があっても遊びで使うことが多く、授業で取り扱われることもまれであったため、プログラミングについて学ぶ機会はなかったといっても過言ではありません。将来ますますIT社会になる可能性が高いことを考慮すると、小学生からプログラミング学習をはじめることが重要であると考えられています。

2.教科には含まない?小学校で行うプログラミング学習のポイント

こちらでは小学校で行われるプログラミング学習の3つのポイントについてまとめました。

2-1.パソコンは必ずしも使わない

小学校のプログラミング学習は必ずしもパソコンを使用するとは限りません。たとえば、カードやブロックなどの道具を使用してコンピューターの基礎学習を行うケースです。パソコンやタブレットを使わないプログラミング学習は「アンプラグド・プログラミング」と呼ばれています。タイピングがまだ十分身に付いていない小学校低学年であってもプログラミングのイメージがつかみやすかったり、学習をスタートさせるきっかけにできたりという点が良いところです。小学校でのプログラミング学習はあくまでも基礎を学ぶものであって、難しいプログラミング言語を学ぶ期間ではありません。そのため、子どもが楽しみながら論理的思考を身に付けていくことが重要視されます。

小学校の頃には読書をする機会も少なくありませんが、視覚的に学ぶ方法として絵本が用いられるケースもあります。絵本はイラストがあるので飽きにくく、子どもが想像力を働かせながら学べる良い教材のひとつといえるでしょう。実際に授業に取り入れられているものとして、海外のプログラマーで作家・イラストレーターの作者が手掛けたものがあります。こちらは宝石集めをしながら、物語のなかから練習問題が出てくるといったものです。ほかにも、カードを使ってダンスの流れを考えるといった方法もあり、体を動かしながら論理的思考を育てることが可能です。

2-2.扱う言語やソフトは自由

小学校のプログラミング学習ではどのような言語やソフトを使うべきなのかについては正確に言及されていません。そのため、文部科学省のホームページにある小学校向けのプログラミング教育に関する研修教材を参考にして、各小学校が言語やソフトを決定します。文部科学省が用意しているのは動画タイプとテキストタイプで、遊びのような感覚で楽しみながら学習することが可能です。

具体的には、プログラムを使った正多角形の作成、猫から逃げるプログラムや卵からひよこが生まれるプログラムなどの作成といったものが挙げられます。学習する際のソフトはタブレットが多いですが、配布されていない小学校ではプログラミングキットが使用されることも少なくありません。たとえば、さまざまなパーツを利用してロボットを組み立てていくプログラミングキットが挙げられます。パソコンやタブレットを使用するもの以外にも、センサーなどを組み入れて動かすタイプもあるため、自分で考えながらプログラミングを学ぶことが可能です。

2-3.各授業の一環として行われる

プログラミング学習は単体の教科ができるわけではなく、各授業のなかで行われます。特にプログラミングは算数や理科との相性が良く、授業に取り入れやすいです。また、教科においてプログラミングに関する成績は評価対象にはなっておらず、あくまでもその教科で学ぶ内容についての理解度や知識などが評価されます。たとえば、算数で行うプログラミング学習には正多角形の作成がありますが、この場合も評価されるのは正多角形の作成の理解度です。

プログラミングに関する専門的な技術や知識を学ぶのは中学校以降で、高校になるとプログラミングだけではなく、情報セキュリティ、ネットワークといったより詳しい知識を学習します。そのため、小学校の間は楽しみながら子どもがプログラミング学習に興味を持ち、積極的に学びたいという気持ちを育てることを重要視する必要があるでしょう。一般的な科目と同じく、ネガティブな気持ちを持ったまま学習していては知識の増加や技術アップにつなげたいという積極的な姿勢が生まれにくいからです。小学校でのプログラミング学習については評価をあまり気にせず、焦らずに学ぶことが大切になります。

3.学年ごとに紹介!実際に行われているプログラミング授業の事例

小学校のプログラミング学習は学年が上がるごとにステップアップします。こちらでは、小学4~6年生の間で学ぶことの一例について紹介します。

3-1.小学4年生

「小学校を中心としたプログラミング教育ポータル」では、株式会社ポケモン協力のもと技術進化と自分たちの生活の関わり方を学んだ例があります。具体的には、ゲーム制作者へのインタビューを通じて技術を使った仕事や働く意義を考えること、意図した内容でプログラミングを作成する方法を学ぶために、ポケモンキャラクターを使用したプログラミング教材を用いて、実際にキャラクターを動かしてみるという体験が行われました。

3-2.小学5年生

小学5年生では算数で正多角形の作成を行った事例があります。実際に、このプログラミング学習を受けた生徒からは「結果が視覚化されているので楽しい」「失敗を繰り返しても落ち込まずにトライできる」という声が寄せられました。また、プログラミング教材を使用して、英語による道案内のプログラミングを行うといった授業も行われています。こちらの事例では「英会話能力の向上につながった」「プログラミングの簡略化を行うなかで、プログラムにはさまざまな形があることを学んだ」という意見などがありました。

3-3.小学6年生

6年生のプログラミング学習はプログラミングの実践編といっても良いでしょう。理科の授業では電気の性質や働きを理解したうえでプログラムを作成し、安全で効率的な信号機の仕組みを知るという授業が行われました。さらに、家庭科では教材のセンサーや制御機能などを有効活用して、生活に役立つ道具を作成した事例もあります。こういったプログラムの作成を通して、センサーが節電に有効であることを知ったという感想が寄せられました。

外国語の授業では自分がおすすめと考える国の自然、動物や食べ物などの情報を収集し、プログラミングを作成してわかりやすく発表した事例もあります。授業では動画サイトにあるチュートリアル動画を参考にして説明されたのでよりわかりやすく、教師からの説明も不要でした

4.小学校でプログラミング学習を行う利点と課題

小学校でのプログラミング学習はさまざまな面で利点がありますが、課題を抱えているのも現状です。そこで、こちらでは小学校におけるプログラミング学習の利点、今後改善していくべき課題について見てみましょう。

4-1.利点

小学校の段階からプログラミング学習を行う利点として、さまざまな能力の育成ができることが挙げられています。たとえば、有名なのは物事を順を追って考える「論理的思考力」です。プログラミングを使って結果を出すには、そこに至るまでいろいろな面から工夫をしなければなりません。その際に課題解決能力、情報活用能力、批判的思考力、想像力などが育まれます。さらに、プログラミングでは英語が使用されるケースが多いことから英語に触れる機会が増えることも良いところでしょう。これらは将来的に社会人として活躍する上で、非常に重要な能力です。

ちなみに、高校で学ぶ「情報I」ではプログラミングに関する本格的な授業がスタートします。そのため、小学校で基礎を学んでおけばスムーズに学習することも可能です。また、大学入試共通テストの教科のひとつである「情報」に2025年からプログラミングに関する問題も出るので、大学入試対策にもなります。IT系企業は、人材不足に悩んでいる業界のひとつです。プログラミング能力を小学生から学びはじめて技術や知識の幅をより増やせば、将来仕事において選択肢が広がるのもメリットになります。

4-2.課題

小学校でのプログラミング学習は子どもの将来において大きな意味がありますが、教える立場である教師すべてがプログラミングに関する知識を持っているわけではない点が問題になっています。そのため、教師側の負担・混乱の軽減を考慮して情報を提供したり、研修を行ったりすることが大切です。具体的には「プログラミング的思考の本質を考慮したうえでプログラミングの経験を増やす」「ICT機器やアプリの使い方の指導」といったことが挙げられます。文部科学省、総務省、経済産業省のほか、全国の教育委員会・学校、民間企業・団体によって立ち上げられた「未来の学びコンソーシアム」では、小学校のプログラミング学習向け教材や実際の授業事例などを掲載しているので参考にしましょう。

さらに、パソコンやタブレットなどの機器の不足、不十分なネットワークなど学習環境が整っていないケースもあります。学校側の問題以外にも、保護者側が感情面で不安を感じている問題もあります。中学校・高校に進学すればプログラミングの授業が本格的にはじまりますが、その基礎を学ぶべき小学校でプログラミング学習が十分行われていないという不安です。学校、保護者、生徒など全員がプログラミング学習を受け入れられる体制を整えることは優先するべき課題といえます。

小学校だけで不安なときはプログラミング教室がおすすめ

小学校からプログラミング学習を取り入れることで将来的にIT社会にも順応しやすくなり、仕事の選択肢も広がることが期待できます。また、大学受験対策にも役立つのが良いところです。ただ、プログラミング学習の授業環境が不十分な小学校もあります。そのため、子どもが楽しみながら学べる教室の活用も効果的です。 「プログラミング教育 HALLO」では無料体験レッスンもあるので、まずはお問い合わせください。

執筆者:プログラミング教育HALLOコラム編集部

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