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STEM教育で子どもの才能が開花する? 基礎知識から日本の現状まで解説

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STEM教育で子どもの才能が開花する? 基礎知識から日本の現状まで解説

公開日:2022/09/23
更新日:2022/09/23

IT全盛期到来に伴い、今後はさらにAIを活用する社会になることが予想されます。Meta社(旧Facebook社)のマーク・ザッカーバーグ氏や、Amazon.comのジェフ・ベゾス氏は、一代で世界的なIT企業を築き上げました。STEM教育は、そのような優秀な人材を生み出すための一つの道筋といえるでしょう。本記事では、子どもの才能を開花させるSTEM教育の基礎知識や日本におけるSTEM教育の現状まで詳しく解説します。

1.STEM教育はどんな教育か

STEM教育は、1990年代のアメリカで使われるようになった言葉です。2000年代には、当時のアメリカ大統領オバマ氏が演説で「STEM教育に力を入れていきたい」と述べたことで有名になりました。ここでは、STEM教育の意味や手法、必要性などを解説していきます。

1-1.STEM教育の意味

STEM(ステム)教育とは、以下の4つの頭文字から作られた造語です。

・Science(科学)
・Technology(技術)
・Engineering(工学)
・Mathematics(数学)

理数系の4科目を連携させて、横断的に学んでもらう教育方針となっています。
この4科目にArts(教養・芸術)が加わった「STEAM(スティーム)教育」という言葉も生み出されていますが、STEM教育ほど注目されていないのが現状です。まずは、基本となるSTEM教育についてしっかりと学ぶことが大切といえます。

STEM教育は、子どもが与えられた指示に従うだけではなく、自主的に学ぶことを見つけて試行錯誤しながら解決していくアクティブラーニングを重要視した教育法です。

日本は、世界的に見るとSTEM教育の面で遅れをとっているとされています。ただ、2020~2022年にかけて小・中・高校のプログラミング教育が順次始まったことから、STEM教育の注目度はさらに高まっていくことが予想されます。

1-2.STEM教育の手法

前述したように、STEM教育の目的は子どもが自主的に課題を見つけて、さまざまな工夫をしながら解決をすることです。特に、理数系科目の知識・スキルを活用し、高めていくことが必要と考えており、「それぞれの公式を覚えればよい」「与えられた問題のみを解けばよい」という受け身ではなく、自発的に学ぶアクティブラーニングで知識を身につけることを重要視しています。

将来的には、STEM関連の職業が増加し、知識・スキルを持った人材の需要が高まるとされています。その基礎として、自主的な学習姿勢を育てていくことは非常に重要でしょう。

1-3.STEM教育の必要性

今後より一層ITが発展していくと予想され、プログラミングスキルなど理系的な素養によって問題を解決したり、時代に合った商品・サービスを生み出したりできる人材の育成が求められます。そのため、幼いころからITリテラシーの向上や思考力・行動力・創造力の育成を意識しておく必要があるでしょう。なかには、「理数系は難しそう」という先入観から、無意識に苦手意識を持ってしまう保護者もいるのではないでしょうか。しかし、STEM教育を通してそういった意識を減らしていくことが期待されています。

2.STEM教育から派生した教育手法

STEM教育は、さまざまな方面に影響を与えています。それに伴い、さらに補強された教育システムや別の方向性から考えられた教育手法が生まれていることをご存じでしょうか。ここでは、STEM教育から派生した教育手法を5つ紹介します。

2-1.STEAM教育

上述したように、STEAM教育はSTEM教育にArt(芸術)の頭文字を加えたものです。Artは、日本語でいえば美術・芸術といった意味ですが、広い範囲では「教養」と解する場合もあります。

STEAM教育は、ITやデザイン性、文化、社会学なども含めた教育法です。日本では、まだ認知度が低いSTEAM教育ですが、アメリカではすでにSTEAM教育にシフトチェンジし国家戦略として取り組まれているほど注目されています。

2-2.STEAMS教育

STEAM教育に、S(Sports)を加えたものが、「STEAMS(スティームス)教育」です。静岡トヨペット株式会社(現トヨタユナイテッド静岡株式会社)が造語したといわれています。

STEAM教育に、体を動かすスポーツを加えることで感性を磨くことも大切という考え方です。子どもが参加するイベントに、STEAMS教育を取り入れて親子で遊びながら自然を体験するなどが期待できます。

2-3.STREAM教育

STREAM(ストリーム)教育は、STEAM教育にRobotics(ロボット技術)の頭文字を加えた教育法です。ロボット技術の目覚ましい進歩とともに、ロボットを業務に取り入れる企業も増加しています。

STEAM教育にロボット技術教育を加えて人材を育てれば、将来的にロボットだからこそできる業務が増えたときにも役立てることが期待できるでしょう。日本では、すでに少子高齢化社会となっていますが、今後さらに超高齢化社会を迎えたときに、国の労働力を支えることが期待されているのがロボット技術です。

2-4.E-STEM

E-STEM(イーステム)教育は、STEM教育にEnvironmental(環境)の頭文字を加えた教育を指します。STEM教育に環境教育を加えることで、身近な環境から地球全体の環境まで幅広く考えられる人材の育成を目指す教育法です。

現代では、地球の環境破壊や異常気象が世界的に問題となっているため、人に対してだけではなく自然にも配慮できる思考力を持った人材が求められています。E-STEM教育を行うことで、理数系の技術・スキルアップを目指すだけでなく幅広い環境教育を学ぶことが可能です。

2-5.GEMS

GEMS(ジェムズ)は、「Girls in Engineering Math and Science(女性のための数理工学と科学)」の頭文字をとったものです。男性だけでなく、女性にもSTEM分野で活躍してもらうためのプログラムとなっています。現状、STEMの分野では女性の割合が低く、これを改善するためには女性にもSTEM教育でしっかりと知識や技術を学んでもらうことが必要です。女性の社会進出や、男女平等を目指す選択肢の一つとして注目されています。GEMSには、「Great Explorations in Math and Science(数学と科学の素晴らしい探検)」の略語という一面もあり、数学と科学を楽しく学ぶことが目的です。

3.STEM教育と関連する言葉

STEM教育を行う際には、「ICT」「EdTech」の2つを避けて通ることはできません。ただ、なかには初めて聞いた人やそれぞれの意味・役割がよくわからない人もいるのではないでしょうか。そこで、ここからはICTとEdTechがSTEM教育にどのようにかかわっているのかを確認してみましょう。

3-1.ICT

ICTは、「Information and Communication Technology(情報通信技術)」の略で、IT機器を利用して主にインターネット上でコミュニケーションをとる技術を指します。例えば、日常的に意識せずに行っているメールやSNSでのやりとりもICTの一つです。STEM教育では、タブレットなどを利用して双方向の学習を行うため、ICT環境を整えることは必須といえるでしょう。ITを活用して、暮らしを豊かにすることを目指すのがICT技術です。

3-2.EdTech

EdTechは、Education(教育)とTechnology(技術)を組み合わせた造語で、教育現場にテクノロジーを取り入れて変革を目指すことです。例えば、「ICTの応用としてオンライン学習やVR(バーチャルリアリティ)の活用」「学習内容を最適化するアダプティブラーニングと学習管理の効率化」などが挙げられます。EdTechを発展させることで、STEM教育の加速が期待できるでしょう。

4.STEM教育の具体例

STEM教育やSTEAM教育は、学校、国・地域によってさまざまな取り組みがなされています。日本や諸外国でどのような取り組みが行われているのでしょうか。ここでは、日本、アメリカ、中国、韓国、シンガポールの具体例を紹介します。

4-1.日本

東京都の中高一貫校、成徳学園中学・高等学校では、先進的なSTEAM教育の取り組みをしていることでメディアにも取り上げられました。同校では、STEAM教育のために新校舎を増築し、「Global Thinking」「ICT&Innovation」の精神を持つ人材の育成を目指しています。STEAM棟と名付けられた新校舎の教室は、「教室」と呼ばれていますが、生徒の席は決まっていません。床に寝転がったり、椅子に座ったりするなど、度を超していなければどのように授業に臨むのかは自由です。

それでも、生徒たちは自主的にグループを作り、お互いの知識を教え合うなどしてITを取り入れた作品を作っています。環境が整うだけでも、STEAM教育を実現することができるといえるでしょう。

4-2.アメリカ

アメリカでは、さまざまな取り組みがなされていますが、ここでは大学のサマーキャンプについて取り上げます。例えば、スタンフォード大学では国内外の小中学生向けにSTEM教育プログラムの体験を行っています。ロボット製作やアニメーション、グラフィックデザイン・ゲームデザインなど豊富なクラスが用意されており、講師はエンジニアなど実際に最先端IT企業で働いているプロばかりです。講師以外にも、子ども7人につき1人以上のアドバイザーが担当者としてついています。

また、アリゾナ州立大学では、ゲーム開発を行うゲームキャンプが開催されました。アリゾナ州立大学は、アメリカでも指折りの研究大学です。同キャンプでは、実際に行われている授業をもとにしてゲーム開発を行っています。プログラミングやトップ企業のデザインツールを学んだり、キャンプ中の課題としてTシャツを作ったりするなど楽しみながらSTEAM教育を受けられる仕組みです。

4-3.中国

中国では、2018年に「中国STEM教育2029革新行動計画」が発表されました。2017年には、すでに山東省の小学校でプログラミング言語Python(パイソン)を活用したプログラミング教育が進められています。AIの人材不足解消を目的とし、国を挙げてプログラミング教育に力を入れているのが現状です。そのため、保護者も教育費用を惜しまず、課外学習をしている子どもが少なくありません。

また、地域によってはプログラミング学習に補助金が出るところもあるほどです。さらに、都市と地方の教育格差を埋めるために、オンラインでプログラミング学習ができる環境を目指しています。

4-4.韓国

韓国では、初等教育を中心にSTEM教育にArtを加えたSTEAM教育を行っています。高校生の理系離れが顕著となったことをきっかけに、STEAM教育、正確には義務教育全体で理数強化のために芸術教育を融合する授業を取り入れるようになりました。具体的には、STEAM教育のプログラム作成や教員の育成に力を入れており、「自動運転・人工知能など」「スマホ・ドローンなどのテクノロジー活用」「音楽や芸術」「ブロックチェーンなどの先端技術と仕事」という4つの教育カリキュラムを各学校で実行可能です。

4-5.シンガポール

シンガポールは、世界でも指折りの学力の高さで有名です。2014年には、STEMプログラムの提供をする「ステムインク(STEM Inc)」も設立されました。ステムインクからは、各学校に講師が派遣され、「工学&ロボット工学」「コーディング&プログラミング」「食品生産科学」など8つのカリキュラムで生徒に教えています。

国民もSTEM教育に関心が高く、座学より体験学習(ハンズオン)を重視している学校が多い傾向です。授業では、キットが使用されることもありますが、使用する素材にこだわりは持たず、身近なものを使ってSTEMの課題に取り組んでいます。

5.日本のSTEM教育の現状

将来の日本の国際競争力に大きくかかわるため、STEM教育で優秀な人材をより多く育成することが求められていますが、日本は周辺国と比べてSTEM教育が進んでいるのでしょうか。ここでは、日本のSTEM教育の現状について紹介します。

5-1.日本におけるSTEM教育への取り組みは遅かった

日本の教育現場においてICT環境の整備が遅く、2018年のPISAが行った「ICT活用調査」によると授業内デジタル機器使用時間において日本はOECD加盟国の最下位でした。日本では、理科系科目の横断的指導ができる教員や、プログラミングの知識がある教員らの確保自体が困難な状況です。

また、現行の教育とともにSTEM教育を行うとなると教員への負担が大きく、日本でSTEM教育を義務教育に導入するためには、人材不足が大きな壁となっています。

5-2.STEM教育研究センターを開設

2002年に、埼玉大学で「STEM教育研究センター」が開設されました。教育方法や指導者の育成について研究している専門家を中心に、外部の共同研究機関、さまざまな教育現場と連携して運営している施設です。また、STEM教育のワークショップ、ロボット教材の開発なども行っています。

民間でも、企業や機関がSTEM教育のサービスを展開して政策の遅れをカバーしており、例えばプログラミング教室や体験イベントなどが開催される機会も増加傾向です。

5-3.文科省がスーパーサイエンススクールを指定

2002年ごろからは、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)がスタートしました。SSHとは、先進的な理数教育の実施や、国内STEM教育の先駆けになっている取り組みのことです。科学技術力の高い人材を育成することを目的とし、2021年現在で218の学校がSSH指定校となっています。

指定校の多くは、授業を大学や研究機関などと連携した内容にしたり、企業・実験施設などを見学したりするなど、発展的な活動が認可されている公立高校です。SSH指定校では、4年制大学の理系学部に進学する生徒が増加し、全国平均と比較して男子で約2倍、女子で約3倍という結果が出ています。

5-4.プログラミング教育を必修化

日本国内の小学校でプログラミング学習が必修化されたのは2020年からです。中国では、2017年からすでにPythonを取り入れる小学校もあったことを比較すると、日本でのプログラミング教育の必修化は遅れていると言わざるを得ません。

日本では、必修化こそされたものの、ICT環境の整備や教員の育成、適切な教材・カリキュラムの作成、授業時間の確保など問題が残っており、前途多難な状況です。日本がプログラミング教育において世界に追いつくためには、学校だけではなく中国のように国を挙げて取り組んでいくことが必要でしょう。

6.STEM教育をより効果的なものにするには

日本のSTEM教育は、万全とはいえない環境でスタートしており、多くの公立学校ではしっかりとした指導を行える状態にまで進められていません。そのため、学校以外でもSTEM教育を意識して、さまざまな面から取り組んでいく必要があるでしょう。ここでは、STEM教育をより効果的に身につけるために必要なポイントを2つ紹介します。

6-1.教材を用いて家庭で取り組む

STEM教育でも、中心的なのがプログラミングです。始めたばかりのころは、とにかくトライ&エラーで学んでいく傾向があります。うまくいかないことがあったとしても、根気よく取り組めれば問題ありません。しかし、うまく取り組めなかったり、限られた授業時間内で進められなかったりすると苦手意識を持ってしまう可能性もあります。
そのため、教材などを活用した家庭学習で保護者がフォローしていくことが大切です。そのなかで、子どもがもし失敗することがあっても、「失敗して当たり前」という気持ちでポジティブに進めていくようにしましょう。

6-2.習いごととして教室に通う

家庭で子どものプログラミング教育をフォローしたくても、「学ばせ方がわからない」「教材の内容をうまく教えられない」といった悩みがある保護者もいるのではないでしょうか。上述したように、現状学校で行っているプログラミング教育は発展途上というケースは珍しくありません。そのため、プログラミング教育の重要性を理解している保護者のなかには、いち早く子どもをプログラミング教室に通わせている人もいます。STEM教育を掲げているところであれば、ほかの教科にも好影響が期待できるでしょう。

STEM教育の重要性を理解してプログラミング教室も検討しよう

STEM教育は、理系科目の知識・スキルを横断的に使える次世代の人材育成を育むための教育法です。日本でも小中高でプログラミング教育が必修化されたことで、本格的な発展が期待されています。「プログラミング教育 HALLO」では、生徒に合わせた授業を行っております。お子様が自主的に工夫しながらゲームの作成ができるクリエイトモードは、特におすすめです。無料体験授業もあるので、まずはお問い合わせください。

執筆者:プログラミング教育HALLOコラム編集部

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